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不健全な関係

DVの被害にあった女性へのケアとDVをしてしまった男性への対応をしながら、いろいろなことを感じ・考えている日々です。 双方に対応することで、親密になった関係の2人が、不健全な環境で生活を共にしている現実を目の当たりにしています。 親密な関係であるからこそ、加害をしているほうには、2人の間に起きていることが暴力と認識することがとても難しく、生活する中で時間が過ぎ、それとともに被害を受けている女性の傷が深くなるということも痛感しています。 本来なら、互いに信頼しあい、大切にしあい、支えあいながら衣・食・住を共にする関係の人との間に、暴力が起こるのです。不安や緊張や恐怖が伴うのです。 時間をかけて深くなった傷は、手当てをして回復していくのに時間がかかります。心に受けた深い傷は、目に見えないので、どの程度の傷なのか探ってみないとわかりません。 手当てするためには思い出したくないことを思い出す必要もあります。また自分が責められるのではないかという恐怖を抱くことも多いと思います。 ケアのできていない傷は、何かしらのきっかけで痛み出し、その痛みから怒りを伴います。その怒りから、夫との関係で学んでしまった不健全な方法で、子どもに対応してしまうことが起きがちです。 なるべく早くに手当てをして、失った自分自身を取り戻してもらいたいと思います。

DVは、性格の問題でも病気の問題でもありません。人生を共にするパートナーに対する、歪んだ価値観や考え方が原因です。 DVは、後天的に学んできた間違った価値観や考え方を、正しいことであり、あるべき姿であると信じていることから生まれてくる行動です。 DVをする男性が、どの人に対してもコントロールしようとするわけではありません。パートナー以外の人間関係では、コミュニケーション能力を使い、感情もコントロールし、人間関係を構築しています。 問題は、パートナー以外の人間関係で出来るコントロールを、パートナーに対しては使わないということです。出来ないのではなく、やらないのです。 なぜやらないのかを本人が気付かなければ、DV行動をなくすことはできません。つまりDVは、パートナーが努力して何とかなるものではないということです。

DVが子どもに及ぼす影響も大きく、子ども自身、親との愛着関係を健全に結ぶことが難しく、時には、子どもが親の役割を果たしてしまうことが起きがちです。 家庭や家族は、その形があればいいのではありません。そこに、家族のだれもが「安心」を感じることが必要です。両親の間で繰り広げられるDVを目の当たりにしながら生活する子どもは、緊張したり、ドキドキする恐怖を感じながら生活しなければなりません。 子どもが抱える精神的ストレスは様々な問題行動になって表れても不思議ではありません。問題行動でしか表すことができないのが、子どもの抱えている苦悩だと思います。 DVの根を絶やすことは、次世代育成の観点からも必須だと思います。 DVを社会の問題として捉え、私たち1人ひとりが暴力を甘くみない意識を持つこと=身近な関係の人が暴力をふるっているという事実を無いことにしないということが、安心できる社会の実現につながると思います。

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